奥比叡逍遙
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比叡山文学散歩
比叡山には随筆・小説・戯曲・俳句に登場してくる堂塔や歌碑・句碑が多数点在しています。
  • ■夏目漱石「虞美人草」(小説)
絶景の向こうに漱石が垣間見た奥深い歴史の深さに大きく心を動かされ、主人公たちが比叡山頂を目指して登り始めた場面の描写があります。
仏教の聖地「比叡山」は大きく東塔・西塔・横川の三つの地域に分けられ、これらの三塔の諸堂を総称して延暦寺といいます。それぞれ、地理的区分であると同時に異なった雰囲気を人々に伝えています。
東塔(とうどう)を歩く
  • ■吉井勇「阿弥陀堂」前歌碑
“ねがはくは妙法如来正知大師のみ旨成らしめたまへ(どうか仏のすばらしいお知恵によって、 伝教大師が日本に天台の教えをひろめられ、国の平和を守りたいと祈られたみ心にあうよう、 どうかみ仏の加護をいただきたい。)”
  • ■吉川英治「新平家物語」(小説)「大講堂」
山門の名で関白藤原忠通および第74代天皇鳥羽院へ使者を立て、清盛父子を糾弾したが受け入れられず、強訴する僧兵たちの様子が描写してあります。
  • ■谷崎潤一郎「二人の稚児」(小説)文殊楼
浮世への憧れと道心を求める学僧二人の揺れ動いた心を描写してあります。
  • ■長輿善郎「最澄と空海」(戯曲)戒壇院
戒壇院創建までの描写。この戒壇院は天台宗の僧が大乗僧となるために受戒する道場であり、伝教大師最澄の存命中には実現せず、大師の没後7日目に勅許がおりた。
西塔(さいとう)を歩く
  • ■心海上人「常行堂・法華堂」新拾遺和歌集(和歌)
“本覚の山のたかねの鐘のおとに長き眠りをおどろかすかな(天台宗の教えで、もっとも大切なのは修行する前にすでに人間は仏性を備えているので、それを自覚して仏道を歩むことだ。そんな立派なみ仏の教えを説く比叡山だから常行堂の鐘の音によって、多くの人々が長い眠りから目覚めたように、天台の教えを学び、明るい人生を送ることができるだろう。)”
  • ■九条武子「釈迦堂」前歌碑
“山の院蓮子の端にせきれいの巣あり雛三つ母待ちて鳴く(山寺の蓮子窓の端にある巣のなかで、親鳥の帰りを鳴きながら待っているセキレイのひな三羽……)”
  • ■中西悟堂「恵亮堂」歌碑
“樹之雫しきりに落つる暁闇の比叡をこめて啼くほととぎす”慈愛のまなざしを野鳥や自然に向け、生命あるものに対する悟堂の温かさが詠まれたものです。
横川(よかわ)を歩く
  • ■吉田兼好「徒然草」(随筆)元三大師堂
第二三八段 三塔巡礼の事侍りしに、横川の常行堂のうち竜華院と書けるふるを額あり。 比叡山特に横川で出家した兼好はしばしば元三大師堂にも行き、当時の人々と談笑しながら著作活動など有意義な日々を過ごしていたのでしょう。
  • ■高浜虚子「横川中堂」から「恵心院」への途中・歌碑
“清浄な月を見にけり峰の寺”横川をこよなく愛した虚子の面影が ひしひしと伝わる句です。
  • ■恵心僧都「往生要集」(随筆)
経典のなかから往生についての要文を集め、念仏往生の重要さを説きながら文学的価値の非常に高い作品。